商工ローンの判例
商工ローンは便利なものですが、
金利や取り立てなどで裁判沙汰になる場合も多いようです。
今回は一つの裁判をご紹介します。
(引用ここから)
商工ローンと連帯根保証契約
本件は、昨年社会問題になったいわゆる商工ローンの連帯根保証契約について、
詐欺を理由に取り消しが認められた事例である。商工ローンについては多くの訴訟が起きているが、
その1つの例として紹介する。
(新潟地方裁判所平成11年11月5日判決 控訴 判例タイムズ1019号150ページ)
事件の概要
X:原告(貸金業者)
Y:被告(個人)
A:関係人(B社の代表取締役、Yの娘の夫)
B:関係人(有限会社、Xの主債務者)
C:関係人(Xの担当者)
Aは自己の経営するB社の資金繰りに窮し、平成十年六月九日、かねて借り入れをしていた
Xの担当者であるCに対し、電話で二百万円の借り入れを申し込んだが、
断られたため、翌十日、再度、Cに電話でAの妻の父であるYを保証人とするので、
借り入れをしたい旨を伝えたところ、Cは、Yが千五百万円の根保証をするのであれば
借り入れに応じてもよいと答えた。
B社はこの時点までにXから計千四百八十八万円を利息年二九.二%、
遅延損害金四〇.〇〇四%で借りていた。
しかし、Aは、B社が平成八年十月に別の業者から二百万円を借り入れた際および
平成十年三月にさらに別の商工ローン会社から百五十万円を借り入れた際、
いずれもYに連帯保証してもらっている上、Yから九十万円借りていることもあり、
既にXに対して多額の債務を負担していることを告げれば、
Yが根保証を応じることはありえないと判断し、Yに対し、
二百万円の新規の借り入れの保証と偽って保証を依頼することにした。
そこで、Aは、平成十年六月十日、Yに対し、電話で二百万円の保証を依頼したところ、
Yは、Bの経営が苦しいことを察知していたことや、既に二回保証人となっていることから、
いったんは保証を断ったものの、Aが娘の夫であることや、
二百万円なら最悪の場合でも妻名義の簡易保険を解約すれば支払えると考え、しぶしぶ保証を承諾した。
Aは、同日夜、CとともにY方に赴いたが、その玄関先において、Cに対し、
本件契約が根保証であることや、B社のXに対する既存債務の残高を言わないでほしい旨依頼し、
Cもこれを了承した。
Cは、本件契約の締結の際、極度額を千五百万円とする限度付根保証承諾書および
連帯根保証確認書、額面千五百万円の約束手形等を差し出し、Yに署名・押印を求めたところ、
Yは、千五百万円の根保証を求められていることに気づいて署名・押印することを躊躇し、
約二、三十分間にわたって、沈黙が続いたが、結局、Yは、これらの書類に署名・押印した。
しかし、AおよびCは、本件契約の締結の際、B社のXに対する債務の残高については、
何ら説明をしなかった。また、Yが押印した書類のうち、領収書には、
同日実行された五百五十万円の貸し付け後の総融資残高が二千三十八万円である旨の記載があったが、
Yは、これに気付かなかった。
XがYに千五百万円の連帯根保証債務の履行を求めたのに対して、Yは、
本件契約は二百万円の貸し付けについての保証をしたものであると主張するとともに、
第三者(A)の詐欺についてのCの悪意を理由とした詐欺取り消し、および錯誤無効を主張した。
(引用ここまで)
といったわけで、裁判所がいろいろな判断を下す場合があるのですね。
心当たりがある方は、弁護士などに相談されるといいかもしれません。
